開発秘話 – WOODONE(ウッドワン)マガジン|広島の住宅建材メーカーWOODONE(ウッドワン)が発信する住宅オウンドメディア /media WOODONEマガジンは“地球と人に価値ある木の空間を“をテーマに暮らしに役立つ情報を配信しています。 Fri, 04 Oct 2024 12:11:03 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8 洗面台「コテノカウンター」新商品開発秘話 /media/cat02/2256/ Thu, 19 Oct 2023 02:00:05 +0000 /media/?p=2256

新たに、洗面台「コテノカウンター」が新商品として登場しました!

それに伴い、商品の開発に携わった弊社社員の、商品企画開発部のYプロダクトマネージャー、H係長、㈱ベルキッチンのNさんに洗面台「コテノカウンター」の開発秘話をインタビューしました!
座談会の様子をお届けします。

<座談会の様子>

座談会にて

◇「コテノカウンター」のコテノはどういう意味ですか?

[Y さん]もう、まんまです(笑)。“コテ”のカウンターです。「木製のカウンター」のような感じで、左官道具のコテで仕上げたカウンターという意味で名付けています。

[H さん]20個くらい案が出てきましたが、その中から開発メンバーで、一番シンプルな名前をつけました。

[Y さん]でも意外と皆さん、髪の毛をセットするコテ(ヘアアイロン)は知っていますけど、左官のコテは知らないという方が多くて焦ってます(笑)。

◇カウンターの色(AG色・BG色)はどのように選定されたのでしょうか。

[Y さん]膨大な種類の候補があった中から、開発メンバーで1520枚くらいまでに絞って、そこから設計士の方にもアドバイスをいただきながら決定しました。

[H さん]商品開発では、「作品」ではなく、「売れる商品」をつくることが大事だと思っています。なので、実際に商品を使っていただきたいターゲットの方のご意見を伺う機会も大切にしています。

 

AG色  

           

 

BG色

 

この商品を開発したきっかけを教えてください。

[N さん]私とH係長で展示会に行った時に、今回の新商品の左官材料「オルトレマテリア」を見つけて、「あ、これはいいのでは?」という所から始まりました。工務店さんで現場造作されているものをメーカー品としてご用意することは、常にテーマとして持っているので、そこから「オルトレマテリア」を使った左官系の新商品を出そうということになりました。

[Y さん]量産が中々出来ない商品を現場で造っているわけなので、そういった所はやはり需要があると思っています。

 

どのようなお客様がターゲットでしょうか。

[H さんやはり、現場で造作洗面を作ることに、手間を感じている業者様です。実際これまで商談会で業者様とお話しをしていても、この洗面台が完成品で入ってくると聞いたら、「これはいいね!楽だね。」というのを言ってくださいました。あとは、素材を大事にしたいという物件にはもってこいだと思います。洗面を既製品ではなくて、オリジナリティをもったものにしたい、けど造作洗面に踏み出すにはあまりにもハードルが高いというお客様がターゲットです。

[N さん]工務店さんの現場造作にはかなりの時間と手間を要します。工務店さんが、左官職人さん・左官材料・下地を調達、設計をしてと色々な所で人工が掛かってしまいます。既に発売中の「タイルカウンター(無垢の木の洗面台シリーズ)」の開発の時もそうでしたが、我々がそのお手伝いが出来ないか、一括でつくれるようにウッドワンで規格化して出来ないかというところで商品化しました。

 

◇左官材料は割れてしまいそうなイメージがあるのですが、輸送時など問題ないのでしょうか?

[H さん]品質試験でも、きちんと輸送試験をしていますので、心配ないかと思います。そもそも「オルトレマテリア」という左官材料は、ヨーロッパでは元々床材としてスタートした材料で、「柔らかいが、強い」材料と言われています。

[Y さん]粘りがあって、固まる前は、ぐにゃぐにゃ曲がる材料です。モルタルのように思われていると、割れてしまうと思われがちですが、モルタルとは違う材料であることを認識してもらえたらと思います。

<オルトレマテリア素材画像(オルトレマテリアWebサイトより引用)>

[N さん]そうですね。ただ固いというわけではないので、仮に化粧品の瓶を落としたりしてしまっても、柔らかいので割れにくい、ステンレスのようにへっこむようなイメージです。お手入れに関しては、洗面所の商品なので防汚性を高めるため、トップコートを施しています。

 

◇商品を開発する上で一番こだわった所はどこでしょうか。

[H さん]こだわった所は、全部です(笑)!左官材料は骨材(今回は石英)のサイズや配合によって仕上がりや汚染性能が変わってくるため、そこに関してもこだわりました。あと、地味に苦労したのは、「前垂れ」の厚みですよね。

<矢印部分が前垂れ>

 

[Y さん]そうですね。商品企画開発部のT係長が、前垂れのサンプルを1mm単位で作ってくださって、実際の商品完成イメージがつきました。

[N さん]具体的な所で言うと、前垂れが厚ければ厚いほど「重厚感」がでるのだけど、厚すぎると今度はカウンター下に取り付ける収納の納まりが悪くなってしまう。やはり洗面所なので、カウンター下の収納の納まりも重要になってきます。そのため、意匠性を保った上でカウンター下の納まりも確保出来るのは何mmなのか、また、前垂れの厚みはカウンターの強度にも関わりますので、カウンター下地の構造でのビスを打つ方向や、下地自体の厚みもいくつかの案を元に皆で知恵を出して何が最適なのか考え抜きました。

 

最後に、新商品に関してお伝えしたいことはありますか?

[Nさん]では、開発チームを代表して言いますと、前垂れの厚さの時もそうでしたが、我々も大体のサイズでは作っていません。発売ギリギリまで、商品がより魅力的になる方法が無いか、また、お客様が安心安全に使えるのか、そして製造側や取付業者様の作業のことを考えています。それを是非お客様にも知っていただければと思います。こだわりが沢山詰まった商品なので、洗面台「コテノカウンター」を何卒よろしくお願いいたします!

 

商品に関する情報はこちら

【商品ページ】

/product/item/housing/wash_stand_opentype/

【デジタルカタログ】

https://www.catalabo.org/iportal/cv.do?c=77398880000&pg=1&v=CATALABO

こちらの商品は、2023年8月10日受注開始です。

是非チェックしてみてください!

 

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「W1200フレームキッチン」新商品開発秘話 /media/information/1915/ Thu, 03 Aug 2023 02:00:07 +0000 /media/?p=1915

新たにフレームキッチンの間口1200mmが新商品として登場しました!

それに伴い、商品の開発に携わった弊社社員の、商品企画開発部のYさん、Hさん、Tさん、㈱ベルキッチンのNさんに「W1200 フレームキッチン」の開発秘話をインタビューしました!
座談会の様子をお届けします。

 

座談会の様子

◇今回「W1200フレームキッチン」を出すことになった背景を教えてください。

[Yさん]昨年の夏頃に「社員寮の各部屋に設置するための、W1200mm(間口)のフレームキッチンを新しく作ることは出来ないですか?」というお客様からのご要望があり、フレームキッチンのミニマムサイズに挑戦してみたことで、今回の「W1200フレームキッチン」の発売に至りました。

<座談会の様子>

◇開発の背景は社員寮の案件からということですが、主なターゲット層、またどのような方々に提案してほしいかを教えてください。

[Yさん]ターゲットとしては、ワンルームマンションや、首都圏向けのリノベーションを考えているお客様、滞在型ホテルやリゾート案件などです。
あとは、セカンドキッチンというご提案をしていきたいと考えています。お酒をたしなみながら、ちょっと料理を温めたりとか、簡単な料理をするキッチンとして、そういう用途でも使ってほしいと思っています。おうち時間を充実させる人がコロナ禍前よりも増えてきた中で、動画配信サービスでドラマや映画を家で見たりする方も多くなってきていると思います。水が出て、加熱も出来る収納棚のようなイメージです。カスタムで、加熱機器を無くすこともできます。その代わりに電気ケトルや卓上コンロを使ってもらってもいいです。ワンルームだったら、独立洗面台を置かなくても、W1200のキッチン1つでも良いかもしれません。色んな提案が出来るということを念頭に置いておいていただけると嬉しいです。

 <カタログ「フレームキッチン」>

◇他社コンパクトキッチンとの違いはどこになるんでしょうか?

[Nさん]やはり無垢の木を使用しているという所がポイントです。無垢でW1200のサイズのキッチンは他に無いと思います。“W1200でもおしゃれなキッチン”です。

[Yさん]通常、ワンルームマンション用のキッチンって一人暮らしをしたことがある方はイメージ出来ると思いますが、一般的なデザインのものが多いように思います。なので、他社にはないデザイン性のあるキッチンということで採用してくれるのではないかと思います。

[Hさん]それと、フレームキッチンなので、ユカオキを繋げることも可能です。フレームキッチンの類似品が世の中に沢山増えていますが、ウッドワンのフレームキッチンがフレーム系のキッチンの元祖だという自負があります。他社のフレーム系のキッチンとの大きな違いの一つは、連結していけることだと思います。W1200といえど、使い方が幅広く提案出来るというのも、差別化になるのではないかと思います。

◇商品開発をする上で大変だったことは何ですか?

[Nさん]色んな意見が出て最終的に決定するのが大変だったのが「シンク」決めです。シンクにも、様々なデザインとサイズがあるのでW1200という幅の中で、実際に使う人をイメージして、どれくらいのサイズのものが良いのだろうかと、一人暮らしの経験を思い出しながら意見を出し合いました。

[Hさん]W1200の大きさの中に、加熱機器と、流しと、調理スペースを確保しなければならない。そうなった時、人によって、「シンクが大きければ、まな板を渡して調理スペースを作るから調理スペースはそんなになくてもいい」と考える人もいるし、「大きな鍋は使わないから、シンクが小さくても調理スペースが確保されていた方がいい」という人もいる中で、どのパターンが一番最適かを決めるのにすごく苦労しました。通常の大きさのキッチンの場合は、セオリー通りにシンク、加熱機器を配置して、調理スペースを確保します。ですが、今回は小さいサイズのキッチンなので、各機器の配置と作業性についてキッチンを使う人の暮らしをいつも以上に考えました。皆で納得して、「絶妙なバランス」を考え出しました。

[Hさん]シンク決めと同じく大変だったのは、”たわまないように、強度を保つ”ということです。

[Nさん]そうだね。なぜ強度が大変だったかというと、スイージーのシステムキッチンで、これまで一番大きくてもW1050(間口1050mm)、フレームキッチンではW900(間口900mm)なので、間口1200mmというサイズを今まで作ったことがありませんでした。通常のフレームキッチンと同じ部品を使用した上で、W900と同等の強度を保たないといけないので本当に大変でした。頭の中で図面を描くだけでは強度が保てるかどうかが分からないので、試作を繰り返しました。調理スペースでパンをこねたり、まな板を使用したりするので上から下に対しての強度を保つフレーム構造にするのが大変でしたね。結果的に、補強パネルというのがあるのですが、その使い方を変え、強度を保つようにしました。

 

通常のフレームキッチンは、パネルは背面だけにあるのですが、それを正面と背面両方に仕込んでいます。そこにたどりつくまでが大変でした…(笑)。

[Hさん]途中、フレームを2分割にして強度を保たせるという案などもありました。ですが、やはり通常のフレームキッチンのデザインを壊さずに、出来る限りシンプルなデザインにしたいという想いがあり、やっとの想いで今回の答えに行きついたという感じです。

◇W1200も無垢一本芯(スリット板)で作ろうと思ったのは意匠性を考えてのことなんでしょうか?

[Yさん]正直、基材を用意するのがすごく大変になるのでは…?と、かなり悩んだのですが、㈱ベルキッチンの工場の方々とお話しする中で、「そこは譲れないよね」ということで協力していただきました。意匠性にこだわりたくて無垢一本芯を使用するというところは貫きました。

[Nさん]無垢一本芯ではなく、集成材にした場合はそこまで苦労しなかったかもしれないのですが、やはり、キッチンの正面の顔は大事だろうということで、無垢一本芯にしました。サイドと正面の基材、両方とも無垢材にして、横から見ても正面から見てもカッコいいキッチンにしたかったからです。W1200というのが初めてのサイズなので、担当者からはこの長さでの無垢一本芯の安定的な材料確保も大変だったと聞いています。

 

◇商品開発の中で印象に残っているエピソードはありますか?

[Nさん]今回W1200のカタログ撮影の際、㈱ベルキッチンがある岐阜県の瑞浪市から、東京都内の撮影場所まで、W1200のフレームキッチンを、私とHさんで運ぶことになりました。それも、5人乗りの乗用車しか手配できず、最初は積み込めるか不安でしたが(笑)、1200mmのフレーム、コンロ、板、ステンレスワークトップ、水栓までなんとか積むことが出来ました。

[Hさん]本当に大変でしたね(笑)。フレームキッチンは、女性でも持てるような梱包になっています。通常のキッチンは、組み立て済みのキャビネットを持っていって横並べをして天板を上に載せる仕様ですが、キャビネットになっていない、フレームキッチンのフラット梱包だからこそ出来たことだなと思っています。

[Yさん]フレームキッチンはパーツごとにバラバラに出来るので、フラット梱包にすることが可能な商品です。HさんとNさんのお陰で、カッコいい写真が撮影出来ました(笑)。

◇そもそも、“フレームキッチン”自体はどのような経緯で開発されたんでしょうか?

[Tさん]元々フレームキッチンは、コンロ持ち込みの昔の段落ちキッチンから発想を得ています。昔のアパートとかって、コンロは持ち込みで、設備機器はシンクしかなかったんですよ。それと似たような考え方で、「水が出る所があって、火が使えればキッチン」という考え方から着想しました。

<段落ちキッチン>

なので、天板とかが一体型ではなくてバラバラだし、あとは、リフォーム物件に使ってほしいという所でフラット梱包を採用しました。フラット梱包になっていることで、物流用の大きいエレベーターじゃなくても、搬入が可能になります。

<カタログ撮影時:フレームキッチンW1200搬入の様子(撮影スタジオにて)>

あとは、フレームキッチンの最大の特徴である、オープンな棚ですが、これも見えている方が使いやすいよねという所で、引き出しを無くしたデザインになりました。

◇フレームキッチンのおすすめポイントをもっと教えてください!

[Nさん]フレームキッチンは、メンテナンスの面でも利点があります。10年後20年後に、アパートや集合住宅、賃貸のキッチンを使用していただいているビルダー様や、管理会社様から㈱ベルキッチンに問い合わせが来るんですよね。

例えば、「引き出しが壊れてしまった」「水栓を交換したい」「扉の調子が悪くなってきたので交換したい」等。それを考えると、フレームキッチンの場合、引き出しも無いですし、壊れる要素が無いと言いますか、長期的に使用していただいても、メンテナンスがし易いものになるので、オーナーさんにとっても良い商品なのではないかと思います。

フレームキッチンは見た目にももちろんこだわっていますが、物流の搬入や取り付け等、キッチンを施工する上で関わってくる方々のことも考えた商品になっています。

[Nさん]あと、加熱機器の離隔距離というものがあって、それも考慮するのも大変でしたね。所謂、壁から加熱機器が近いと、壁が燃えてしまうとかの法律があるので、この商品は法律を守ったキッチンであるというのもポイントです。

 

商品に関する情報はこちら

【商品ページ】
/product/item/pickup/w1200frame/

【デジタルカタログ】
https://www.catalabo.org/iportal/cv.do?c=77084320000&pg=1&v=CATALABO

こちらの商品は、2023年8月10日受注開始です。

是非チェックしてみてください!

(文:六信)

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